全部留めるのはマナー違反?意外と知らない背広のボタンのルール

マナー

背広のボタンの留め方には、実は複雑なルールがあります。シングルスーツとダブルスーツで異なる場合もあれば、シチュエーションによって正解が変わることもあります。
「そんなことも知らないなんて」と、気付かないうちにマイナスポイントが加算されないよう、正しいボタンの留め方を覚えておきましょう。

スーツスタイルで異なるボタンの留め方

ボタンの留め方はスーツスタイルによってルールが異なります。少し複雑ですが、各スタイルのルールを覚えておいて損はありません。

シングルスーツとダブルスーツのルール

シングルスーツとダブルスーツではボタンの数が異なりますが、留め方にも違いがあります。
現在のスーツの主流である、シングルスーツの2つボタン、3つボタン、ラペル部分に一番上のボタンホールがある段返りの3つボタン、ダブルスーツの2×2ボタン、3×2ボタンを例に、ボタンの数ごとに見ていきましょう。

  • シングルスーツの2つボタン、3つボタンは一番下を留めない
  • ラペル部分にボタンホールがあるシングルスーツの段返り3つボタンは真ん中だけ留める
  • ダブルスーツは1つがけ、2つがけどちらも、すべてボタンを留める

背広の一番下のボタンを留めないルールを、「アンボタンマナー」と呼びます。
シングルスーツの3つボタンを真ん中だけ留めるという説もありますが、基本は、一番下だけ開けるのがシングルスーツでのマナーです。

スリーピース・スーツのルール

スリーピース・スーツは、背広とパンツ、ベストの3点が同じ布で作られたもので、「三つ揃え」とも呼ばれます。
ダブルのスリーピース・スーツの場合はボタンをすべて留めますが、シングルの場合はボタンをすべて外してもいいことになっています。ただし、ベストの一番下のボタンは外すことがルールです。
ベストでは、そもそも一番下のボタンがかけられないデザインになっているものもあり、この場合はかけられるボタンをすべて留めます。

シチュエーション、その他で異なるボタンの留め方

スーツスタイルによるボタンのルールが通用しないケースがいくつかあります。
そのひとつが、「座る」というシチュエーションです。

  • シングルスーツはすべて外す
  • ダブルスーツは座るときもすべて外さない

シングルスーツは、ボタンを留めたまま座るとシワができてしまうためすべて外して前を開けます。
一方、ボタンを外してしまうと本来のデザインが崩れてしまうダブルスーツは、常にボタンを外さないというのが基本です。

シチュエーションで気になるのは冠婚葬祭ですが、弔事でも慶事でも、先ほどの「座る」のルールに従えば間違いはありません。
ただし、結婚式にタキシードで出席する場合は、座るときも1つボタンを留めておくのが正解です。
女性の場合は、立っているとき、座るときにかかわらず、いつでもボタンはすべて留めるのがマナーです。

背広の一番下のボタンを外す理由とは?

アンボタンマナーのルーツには、諸説あります。
ひとつは、18世紀の英国王ジョージ4世がうっかりベストの一番下のボタンを外したままパーティーに出席してしまい、それを見た当時のファッションリーダー的存在のボー・ブランメルがジョージ4世に恥をかかせないようさりげなく自身の一番下のボタンを外し、それを見た周囲の人が「最新ファッションだ」と勘違いして広まったのが始まり、という説です。
そのほか、「ジョージ4世のこだわりだったようだ」「もともと中世の欧州ではボタンに実用性はなく単なる装飾品だったその名残ではないか」という説もあります。

正確なルーツは定かではありませんが、現在のシングルスーツで一番下のボタンを外す理由は、もともと背広の下のボタンを外して着るように全体のデザインが作られているためです。
一番下のボタンは、中世の欧州と同様にあくまでも飾りという考えで、ボタンを外してこそ背広の前裾にきれいなラインができます。
反対に、一番下までボタンを留めると、裾のラインが出ないだけでなく、シワがよってきれいに着られないのです。

マナーの知識は着こなしの自信の根源

背広のボタンの留め方ひとつでも、覚えることはたくさんあります。着こなしのマナーについて知っているのといないのとでは、スーツを身に着けたときの自信が違ってきます。そして、その自信は仕事にもいい影響を与えてくれることでしょう。
「スーツをどう着るか」という小さなことではありますが、見ている人は必ず見ています。職種によっては毎日のことであるため、マイナスポイントを積み重ねないためにもぜひ覚えておきましょう。

 

参考: