働き方改革の新提案!残業削減に取り組む、はるやまの秘策

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誰もが活躍できる社会への取り組みの一環として、今、労働時間の見直しに注目が集まっています。
有給休暇の消化を促したり、ノー残業デーやノー残業ウィークを設けたりと、各社さまざまな働き方改革に取り組んでいますが、過労死ラインとされる月80時間残業を超えてしまう企業はまだまだ少なくありません。
抜本的な働き方改革が求められるなか、はるやまホールディングスは、「No残業手当」を導入し話題になりました。
従来と異なる新しい評価制度がどのようなものなのかを紹介します。

問題視される日本の労働時間

2017年5月、違法残業など労働関係法令に違反した疑いがもたれる企業名が厚生労働省のホームページで公開され、各メディアでも取り上げられました。「残業するのが当たり前」の風土が根強く残る日本で残業時間が問題視されるようになったのは、いくつか理由があります。

心身への影響

長時間労働が、突然死にもつながりかねない脳疾患や心疾患のリスクを高めることは知られていますが、最近は心への影響も注目されています。
電通女性社員による「過労自殺」が全国に報道され話題となりましたが、その影響か長時間労働などにより精神疾患を発症して労災認定された数は、2016年度で過去最多の498人にのぼりました(2017年6月厚生労働省発表)。

介護離職への影響

自宅で家族の介護をしている場合、労働時間が増えればそれだけ介護できる時間が減ってしまいます。長時間労働は、十分に介護できないため離職を余儀なくされる、いわゆる「介護離職」の大きな原因になっているのです。

少子化への影響

夫婦共働きの家庭が増えたことによる少子化にブレーキをかけるためにも、女性の労働環境を調えることが社会全体での最優先課題のひとつになっています。また、夫の残業時間が増えれば、それだけ家事・育児を担う夫の時間が減ってしまい、出産を躊躇させ少子化につながると考えられています。

各企業の取り組みは?

働き方改革の実際の取り組み状況ですが、厚生労働省「時間外労働削減の好事例集」によれば、「従業員間の労働時間の平準化」「残業を事前に承認する制度の導入」「従業員の能力開発の実施や自己啓発の支援」「年次有給休暇取得の促進」などが7~8割の企業で実施されていました。
東京商工リサーチによる長時間労働に関するアンケートでは、およそ9割の企業は「残業がある」と答えたものの、8割は残業時間の削減に取り組んでいます。
一方で、働き方改革がうまくいっていない現実も浮き彫りになっています。
エン・ジャパンが運営するウェブサイト「エン 人事のミカタ」上で408社に行われた過重労働に関するアンケートでは、過労死ラインの月80時間を超える残業をした人が4割の企業で「いる」と回答しました。
前述の東京商工リサーチのアンケートでは、「必要な残業しかしていない」「取引先との関係からできない」などの理由から、残業削減の取り組みそのものにも着手していない、あるいは着手できない企業も少なくないことが明らかになっています。

このように、社会全体での働き方改革はまだまだこれからといった状況のなか、はるやまホールディングス(以下、はるやま)は、「No残業手当」という新しい評価制度を2017年5月からスタートさせました。

残業しない社員に手当を支給

はるやまの「No残業手当」とは、管理職を除く同社の社員を対象に、月間で残業ゼロを達成した社員に一律1万5000円を支給するものです。
この制度の背景には、同社の理念が大きく関係しています。

2015年12月に「スーツで日本を健康にする」宣言をしたはるやまは、次の3つを公表しました。

1. 健康をサポートする機能性商品を開発します。

2. 店舗を地域の健康支援の拠点となるようにしていきます。

3. 社員の健康を応援し、まず社内から健康で元気になります。

「No残業手当」は、上記3.の実現に向けた働き方改革の一環です。
この制度の狙いは、「残業をしない社員が得をする」と全社的に意識させることにより、社内に残業をなくそうとする雰囲気を作り上げることです。ノー残業デーや有給休暇消化のような上からの強制ではなく、社員が自発的に残業しなくなる仕組み作りです。
運用にあたっては、実働残業手当はこれまで同様に支給され、残業手当が1万5000円を下回った場合も、差し引いた分の「No残業手当」が支給されます。例えば、実働残業手当が8000円なら、そこに「No残業手当」7000円がプラスされ、合計1万5000円が支給されるということです。

斬新な残業削減策の今後に期待

強制的な定時退社や有給休暇の消化ではなく、残業しないことをひとつの達成目標に設定した報奨制度という独自の取り組みはユニークです。「社員の健康を応援」から始まったはるやまの残業削減策が中長期的にどんな成果を見せるのか、今後に期待したいですね。

 

参考: